【完結】ホイクメン!
「信明にとっては気まぐれで助けただけなのかもしれない・・・。

だけど私にとっては・・・!!」




これ以上の思いは伝えてはいけない。


昂る自分の気持ちをセーブしながら、私は必死にあの夜の事を思い出していた。




「同じ学校の制服を着て、正義感を堂々と掲げて助けてくれた人・・・。

だから私は、信明の事を忘れた事なんか・・・ッ―――」




「ごめんっ・・・!!」




突然の謝罪。


信明は気まずそうに俯き、掛けていたソファーから腰を上げる。




「やっぱ・・・帰るわ・・・。」




立ち上がった信明の体は、わずかに震えているような気がした。




驚き、怒り、不安・・・。


様々な不快感が混同する、とても不安定な感情を抱いている彼。
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