【完結】ホイクメン!
事務机に向かい連絡帳を広げる。


准一の視線を避け、私はパソコンデスクから90度の向きにある椅子に腰を下ろした。


その隣には友枝。


無言で事務仕事を進める私たちの隣で、准一はいそいそとパソコンの配線をいじる。




みんなが黙るこの空間はとても居心地が悪い。


私は背中を向けて仕事をする准一に視線を向け、意を決して彼の名前を呼んだ。




「准一・・・?」




唐突に声を掛けたからだろうか。


作業を進める彼の手は止まり、声に反応してぴくりと体を揺らす。




「何・・・?」




彼は振り返らず手だけを停め、私の言葉に耳を傾けてくれた。
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