【完結】ホイクメン!
「なぁ、優香?

俺の事信じて欲しい。

ちゃんと真面目に考えてくれないか?」




「准一・・・。」




オーダーを決めず、私たちはお互い切り出そうとしていた本題を話す事ばかりに気持ちを逸らせていた。




土曜日の昼時。


混み合う店内をバタバタと動き回る店員たちは、オーダーも決めず長居が必至となりそうな迷惑な客に構う余裕すらなさそうだ。




准一の気持ちは嬉しい。


だけど私の気持ち云々に関係なく、まずは信明に対しての誤解を解きたかった。


彼が信明を恨んでいる原因は、姉である葵さんの自殺に関わる勝手な思い込み。


彼は知る由もないが、全ての発端となる出来事を生んだのは私だもの。
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