【完結】ホイクメン!
「ま、とりあえず飯食うべ?

俺、今日はもう仕事ないんだ。

気まずくなった時の保険で、優香には話していなかったけど・・・。」




准一は私を宥めるかのように笑みを浮かべ、早速目の前の食事に手を付けた。




仕事の続きがあると見せかけていた准一。


午後から休みである事を私に告げなかった理由は、きっと私が告白を断るという事を予測していたからなのだろう。




彼に倣い、メンチ風バーグに箸を伸ばした私。


この後ゆっくり話ができるのだとわかれば、少しだけ気持ちが楽になったような気がする。




「美味っ!

優香のメンチ風バーグも1口ちょうだい?」




気まずい雰囲気を取り去ろうと、必死に平然を装う准一。




図々しいこの行動も、きっと彼なりの気遣いなのだろう。


私が勝手な行動に苛立ち、自分に対し文句を言い返す事を期待して・・・。
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