【完結】ホイクメン!
急に准一の口調が穏やかになった。


まるで諭すかのように、優しくゆっくりと・・・。




「姉ちゃんの事、ちゃんと思ってくれてたならさ?

頼むから話してくんないかなぁ・・・?」




気付けば准一は涙を流していて、電話の向こうの信明にバレないよう必死に左手で涙を拭っていた。




准一は変わろうとしている。


恨んでいたはずの信明を許し、葵さんに関わる全ての事実を知る事で・・・。




昔から真面目で人に優しい准一。


この行動は本当に彼らしいと思う。




受話口から漏れる声。


弱々しく聞こえるこの声は、准一の言葉に対する返答のようだ。




わずかに緩んだ彼の口元。


准一は涙を拭きながら、信明に心からのお礼を述べた。




「ありがとうございます・・・。」
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