【完結】ホイクメン!
繋がった電話はその後返却される事はなく、准一と信明は2人で何やら約束を取り付けたようだ。


通話の切断されたスマートフォンを私に手渡し、准一は車のエンジンを掛けた。




准一の目にはまだ薄っすらと涙が残っている。


それでも信明と話した後の彼は、さっきよりも少し表情が柔らかくなったような気がした。




「・・・どうすんの?」




准一にこれからの予定を尋ねた私。


彼は駐車券を口に咥えながら、私の問いに頷き目配せをした。




口には駐車券。


私は車を駐車場から出すまで待ち、再度准一に問い掛けてみた。




「信明と会う事になったの?」




准一は無言のまま、こくりと頷き車を走らせる。
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