【完結】ホイクメン!
「准一・・・?」




少しだけ彼の気持ちがわかったような気がした。




准一はまだ私の事を好きでいてくれている。


だけど今は、私と信明の事を思って必死に自分の本心を抑え込もうとしているのだ。




「早く行って・・・!!

あんまり俺の方を見んな!」




赤みを帯びた目に薄っすらと滲む涙。


私もそんな彼を見たくはなかった。




「わかった・・・。

じゃあ・・・、行くね・・・?」




シートベルトを外し、助手席のドアを開けた私。


車の外に出ようとした時、背後から腕を掴まれ引き止められた。




「・・・どうしたの?」




繋がった腕から感じるわずかな未練。


本当は行かせたくないのに、准一は私の背中を押そうとして・・・。
< 376 / 485 >

この作品をシェア

pagetop