【完結】ホイクメン!
彼の名前を知ったのは連休が明けて少し経った頃。




当時調理部に在籍していた私。


週2回行われる調理実習中の調理室に現れたのは、私を助けてくれたあの彼だったのだ。




「莉帆っ!腹減った!!

俺らにも何か食わせてくれ!」




サッカー部の先輩たちと共に現れた彼。


2年生の莉帆先輩に絡み、出来立てのチョコチップクッキーを食べたいと強請る。




「信明っ!!

そんなに食べたらなくなっちゃうって~!」




莉帆先輩に叱られながらも、彼は嬉しそうにクッキーを口に入れていく。




まるでハムスター。


頬をクッキーでいっぱいにしたまま、彼は他のサッカー部員たちと一緒にグラウンドへと戻っていった。




―――彼の名前は“信明”・・・。




同じ学校のサッカー部。


あの夜の恩人である彼に、私はきっと恋をした。
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