【完結】ホイクメン!
「ごめん・・・!!」




気まずさに耐えきれず信明のアパートを飛び出した私。




とにかく逃げる事しか考えていなかった。


不慣れな白石区の地理は全く分からないけど、とりあえず地下鉄駅がありそうな方を目指して大きな通りを探す。




―――やっぱり・・・、追い掛けてきてはくれないよね・・・?




もしかしたら引き止めてくれるんじゃないかって、少しだけ期待していた。


だけど背後から追ってくる気配はなく、仄かに抱いた期待は簡単に裏切られてしまう。




信明にとって私は“キス以下”の存在でしかない。


ただ傍にいて“したくなったから”。


それ以上の理由は、きっとこの関係の中にはなかった。
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