【完結】ホイクメン!
「はぁ~・・・。」




無意識に零れた溜め息。


自動的に吐き出されるそれを拾うかのように。


私は大きく息を吸い込み、少しでも平常心を取り戻そうとした。




地下鉄駅から歩き、見慣れた景色の住宅街へと戻ってきた私。




視界の先には自宅マンションが見えている。


後は路地に入り、エントランスに到達すればようやくゴールだ。




2階から4階建ての低階層マンションやアパートが立ち並ぶこの地域でも、私の住むマンションは8階建てと比較的高層。


リフォーム済の外壁は、築年数の割にとても新しく見える。




人通りの少ない脇道に入り、1つ頭の飛び出た自宅マンションへ向かって路地を歩く。


狭い路地には数台の車が路上駐車されており、対向車と並んで擦れ違えない程に道路の脇を塞いでいた。
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