【完結】ホイクメン!
ぼーっとしたまま歩き、周りの景色なんてろくに見ていない。


時々路駐車にぶつかりながらも、私の足は慣れた自宅への道をしっかりと歩いてくれている。




自宅に近付く度、安堵の気持ちが湧き上がってくる事に気付いた。




―――やっぱり私には“1人”が似合う。




今日も明日も1人ぼっち。


何もせず家に引き籠っているのが丁度いい。




少しずつ景色が滲み、視界にあるカラーだけがぼんやりと脳に伝わってくる。




近所の家の庭先にある緑、アスファルトの灰色、陽が落ちかけた空の淡い青。


1つだけ見慣れないのが、私の進行方向を遮っている赤い物体だった。
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