【完結】ホイクメン!
邪魔な赤色を避けるため、下目蓋に溜まった涙を指先で拭った私。


目の前にあったのは1台の赤い車。




車を避けてその横をスルーしようとすると、急に右側のドアが開き、そこから飛び出してきた逞しい腕に私の体だは引っ張られた。




「・・・!?」




あの日の悪夢が蘇る。




恐くて声も出せず、されるがままに車へと連れ込まれそうになったあの日。


信明が助けてくれなければ、きっとあの後私は・・・。




「・・・ッ!!!!」




恐くて必死にもがき、絶対に車に乗せられまいと暴れる。


しかし耳元で囁かれた声は、よく聞き慣れた温か味のある声色・・・。




「優香・・・、ごめん。

頼むから逃げないで・・・?」
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