【完結】ホイクメン!
どうして彼はここにいるのか。


私を追い掛けてきたにせよ、あまりにもタイミングが良すぎる。




「信明ぃ・・・っ!!」




期待なんかしていなかった。


だけど追いかけてきてくれたというこの事実が、心の底から本当に嬉しい。




「ごめんね、優香?

俺・・・、まだ伝えたい事があるんだ。

お願いだから、ちゃんと最後まで俺の思いを聞いて?」




「・・・うん。」




急いで車を走らせ、しっかり私と向き合って話すためここに来てくれた信明。




―――私もちゃんと向き合おう。




何も伝えられないまま失恋するのだとしても、もう逃げてはいけないと思った。




信明の家から逃げたのに、それでも彼は私を追ってきてくれて・・・。


これ以上事実から目を背けて逃げれば、きっと“同僚”としても気まずくなってしまうかもしれない。
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