【完結】ホイクメン!
「日没まではあと45分くらいか?

石狩湾に沈む夕日、今日ならとても綺麗に見えるだろうな。」




信明は私の右側に立ち、周囲の様子を確認しながら私の方に腕を絡ませる。




傍から見れば恋人同士。


だけど私たちはただの“同僚”であり、決して“恋人”という関係ではない。


それでも肩を抱かれれば嬉しくて、その腕を振り払う事ができないずるい私。




「なぁ、優香・・・。

俺がお前にキスした事、本当はまだ怒ってるのか・・・?」




私の顔色を伺い、信明は不安気な声で私の本心を問う。




確かに表情を強張らせていた。


だけどこれは、決して嫌だからじゃなくて・・・。
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