【完結】ホイクメン!
葵さんの表情は変わらないまま。


信明のこの言葉は、ちゃんと彼女の耳に届いているのだろうか・・・?




「あ・・・葵さんっ・・・!!」




心の声ではなく肉声で。


私は彼女に向け、今の自分の気持ちを伝えた。




「私もずっと信明の事が好きでした。

だから・・・、これからは私が彼を幸せにします。

お願いだから、私が彼の傍にいる事を認めてくれませんか・・・?」




信明の事を思いながら亡くなった葵さん。


彼女の気持ちは、きっと今でも信明に向かったまま・・・。




「今年は信明と・・・、それから准一も一緒に。

また改めてここに来ます。

来年も、再来年も・・・ずっと・・・。」




いつか許される日が来るまで、私は彼女に会うためここに来る。


そして許してもらえる日がきたら、その時は“信明の恋人”という肩書を堂々と背負いまたここを訪れようと思う。
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