【完結】ホイクメン!
まるで私の声に応えるかのように。
防波堤の方角から強い風が吹いてくる。
微かに聞こえたその声を、私は決して聞き逃しはしなかった。
―――『信明と准一の事、よろしくお願いします・・・―――』
風に吹かれて砂が舞い、私は一瞬目を閉じてしまった。
そしてその目を開けた時、もう陽は完全に水平線の下へと沈んでしまっていて・・・。
「あれ・・・?」
さっきよりも暗くなった海岸の風景。
それ以外変わった事はないはずなのに、さっきまで存在していたものが消えて無くなっている。
―――葵さん・・・、いなくなっちゃった・・・。
私に2人の大切な人を託し、彼女はようやく還るべき場所へと向かったのだろうか?
ぼんやりと佇んでいたはずの姿はもうそこにはない。
今あるのは、防波堤に積まれた古い消波ブロックの山だけ。
防波堤の方角から強い風が吹いてくる。
微かに聞こえたその声を、私は決して聞き逃しはしなかった。
―――『信明と准一の事、よろしくお願いします・・・―――』
風に吹かれて砂が舞い、私は一瞬目を閉じてしまった。
そしてその目を開けた時、もう陽は完全に水平線の下へと沈んでしまっていて・・・。
「あれ・・・?」
さっきよりも暗くなった海岸の風景。
それ以外変わった事はないはずなのに、さっきまで存在していたものが消えて無くなっている。
―――葵さん・・・、いなくなっちゃった・・・。
私に2人の大切な人を託し、彼女はようやく還るべき場所へと向かったのだろうか?
ぼんやりと佇んでいたはずの姿はもうそこにはない。
今あるのは、防波堤に積まれた古い消波ブロックの山だけ。