【完結】ホイクメン!
「きっと葵さん、信明に自分の姿を見られたくなかったんだと思う。

彼女は今でも信明の事が好きで、自分が姿を見せる事で、幸せそうな信明の表情を悲しみによって歪ませたくなかった・・・。」




あくまで推測でしかないけれど、もし私が葵さんの立場ならきっとそうした。




愛しいからこそ幸せになって欲しい。


心の底から誰かの幸せを願っていたからこそ、葵さんは今日までここで信明を待ち続けていたのだろう。




「まぁ・・・、そうか。

なんだか俺だけ幸せになっちまって悪い気もするが・・・。」




信明は私の手を取り、ニッコリを笑みを浮かべる。


その表情は晴れやかで、1つの大きな柵を取り去った事による嬉しさを露わにしていた。
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