【完結】ホイクメン!
「座って下さい!」




つかつかと私の元へ歩いてくる清香。


彼女は薄っすらと笑みを浮かべ、床に転んだ私に手を差し伸べてくれる。




「ありがとう・・・。」




いつもと違う身形の私に戸惑っているのだろうか。


清香は私を目を合わせず、ぶつぶつと独り言を口にしながら必死に自分の感情を保とうとしている。




自閉症を持つ清香にとって、いつもと違うこの場に留まらなければいけないこの現状はとても辛いもの。


そうわかっているからこそ、私は彼女たちにヘルプを頼んでおいた。




―――コンコンコン・・・。




部屋のドアがノックされる。




本来は身内以外ここに入る事はできない。


だけど清香の事を思えば、彼女たちに世話を頼むしかなかった。
< 474 / 485 >

この作品をシェア

pagetop