【完結】ホイクメン!
「いや・・・、あの。

僕より優香先生の方が先輩じゃないですか?」




「あっ!!」




思わず高校時代のままの呼び方で呼んでしまった。




彼の言う通り。


この職場では私の方が“先輩”だ。




今朝顔を合わせてからのやりとりで感じていた違和感。


それは、私の期待が外れた事を確信付けるものだった。




―――やっぱり覚えていないんだ・・・。




私が同じ高校の“後輩”である事。


きっと彼は気付いていない。




他人行儀で低姿勢。


まるで、高校時代の彼とは違う別の男の人を相手にしているようだった。
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