【完結】ホイクメン!
背伸びをしながらおしぼりを干す私とは対照的。


高い位置に張られたロープにも軽々と手を伸ばしている信明先生の作業は、私の何倍も早く無駄がない。




こんな雑用にも真剣に取り組む真面目な彼の横顔に、思わず見入ってしまっている私がいた。




「・・・どうかしましたか?」




「あっ、ううん!!」




目が合った瞬間、恥ずかしくて死にそうになった。




―――どうして無意識に見つめちゃうんだろう・・・?




昔の癖はなかなか抜けなくて、もう追わないと決めたはずの彼の事を再び意識し始めている私がいた。




高校1年生の頃潮まつりで見た、とても幸せそうな信明先輩の姿。


可愛い彼女を連れて、花火大会の会場の近くで自転車に乗っていた・・・。
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