【完結】ホイクメン!
「・・・お互い頑張りましょうね?」




社交辞令のような形式ばった台詞。


ここまで話をしても、信明先生の中では私とあの夜助けた女子高生の姿がリンクしないのだ。




「優香先生って、俺の1級下でしたっけ?」




「はい・・・。」




「それならさ、長瀬って覚えてます?

サッカー部の後輩なんスけど・・・。」




おしぼりを干しながら、そんな他愛のない会話を交わしていく。




共通の知り合いの話題が出る度、同じ時間を共有した事を実感し嬉しくなった。


だけど彼の記憶の中には、きっと当時の私はいない。
< 87 / 485 >

この作品をシェア

pagetop