天然ダイヤとイミテーション・ビューティー ~宝石王子とあたしの秘密~
海外に移住する!? 晃さんが!?
「聞いてない! そんなの全然聞いてないよ!」
「そ、そう? てっきりそのお別れのご挨拶の手紙だと思ってたけど」
「聞いてない!!」
あたしは必死に顔を横に振って叫んだ。
そして詩織ちゃんに掴みかからんばかりの勢いで問い詰める。
「どこ!? どこに移住するの!? 場所は!? どうして!? なんで!? もう二度と戻って来ないの!?」
「ちょ、ちょっと聡美ちゃん落ち着いてよ」
「なんで!? どうしてなのよ!?」
衝撃が大きすぎて頭がクラクラしている。
今にも泣きそうになりながら、詩織ちゃんに向かってまるで晃さん本人に問い詰めるように叫んでいた。
「な、なんかね、タイのバンコクとか、学校に留学するとか聞いたけど」
タイのバンコク!? 晃さんが以前教えてくれた学校がある所!
いつか行きたいって、自分の夢だって言ってた! じゃあ、ついにその夢を実現するために!?
それであたしに手紙を残したんだ。
最後だから。心残りの無いように。
ひとり残されたあたしが、できるだけ前を見て進んでいけるように。
あの手紙は晃さんからの、最後の精一杯の優しさだったんだ。
そんなのってない!
晃さんが行ってしまう! あたしの手の届かないところへ行ってしまうなんて!
そんなのとても耐えられない!!
「いつ行くの!?」
「今日だって聞いてるけど?」
「きょ……!?」
もう二度と彼に会えない!?
あたしは細い悲鳴を上げた。
そして転げるように店を飛び出し、全力で突っ走り始めた。
「聞いてない! そんなの全然聞いてないよ!」
「そ、そう? てっきりそのお別れのご挨拶の手紙だと思ってたけど」
「聞いてない!!」
あたしは必死に顔を横に振って叫んだ。
そして詩織ちゃんに掴みかからんばかりの勢いで問い詰める。
「どこ!? どこに移住するの!? 場所は!? どうして!? なんで!? もう二度と戻って来ないの!?」
「ちょ、ちょっと聡美ちゃん落ち着いてよ」
「なんで!? どうしてなのよ!?」
衝撃が大きすぎて頭がクラクラしている。
今にも泣きそうになりながら、詩織ちゃんに向かってまるで晃さん本人に問い詰めるように叫んでいた。
「な、なんかね、タイのバンコクとか、学校に留学するとか聞いたけど」
タイのバンコク!? 晃さんが以前教えてくれた学校がある所!
いつか行きたいって、自分の夢だって言ってた! じゃあ、ついにその夢を実現するために!?
それであたしに手紙を残したんだ。
最後だから。心残りの無いように。
ひとり残されたあたしが、できるだけ前を見て進んでいけるように。
あの手紙は晃さんからの、最後の精一杯の優しさだったんだ。
そんなのってない!
晃さんが行ってしまう! あたしの手の届かないところへ行ってしまうなんて!
そんなのとても耐えられない!!
「いつ行くの!?」
「今日だって聞いてるけど?」
「きょ……!?」
もう二度と彼に会えない!?
あたしは細い悲鳴を上げた。
そして転げるように店を飛び出し、全力で突っ走り始めた。