天然ダイヤとイミテーション・ビューティー ~宝石王子とあたしの秘密~
プレシャス・オパールな心
「あ、りがと、うございます……」
つっかえつっかえ、なんとかお礼の言葉だけ口にした。
もっと気の利いたセリフのひとつでも言えればいいのにと思うけど。
指輪を贈られた女性が、贈ってくれた男性に対して、何をどう言えばいいのやら見当もつかなくて。
こんなの初体験なんだもの。
しょっぱなからハードル高すぎて、自分の経験値の低さが情けない。
そして食事を終えて、ふたり揃ってお店を出る。
当然、というのも申し訳ないんだけど、お会計は晃さんが支払ってくれた。
ここでも
(あたしも払うって言うべきかな? いや、それは逆に失礼なのか!?)
って悶々としてしまう。
いや。でも。いやいやそれは。 ……って勝手に悩んでいるうちに、晃さんがスマートに会計を済ませてしまった。
……あたしって最近の女子高生よりも情けない気がする。
それから、ふたり並んで夜の街を歩いた。
空を覆う暗闇と、街中を照らす灯りが、あたしの心に不思議な高揚感を生み出している。
男性とふたり。あたしと晃さん。夜の街に漂う独特な空気。
それに酔うように自分の心がウキウキ華やいでいるのをあたしは自覚していた。
「聡美さん、綺麗だね」
「えっ!?」
き、綺麗!? 綺麗ってあたしが!?
心臓を高鳴らせながら、バッと晃さんを見上げた。
すると晃さんの視線はあたしにではなくて、横の方を向いている。
な、なんだ。焦って損した。
つっかえつっかえ、なんとかお礼の言葉だけ口にした。
もっと気の利いたセリフのひとつでも言えればいいのにと思うけど。
指輪を贈られた女性が、贈ってくれた男性に対して、何をどう言えばいいのやら見当もつかなくて。
こんなの初体験なんだもの。
しょっぱなからハードル高すぎて、自分の経験値の低さが情けない。
そして食事を終えて、ふたり揃ってお店を出る。
当然、というのも申し訳ないんだけど、お会計は晃さんが支払ってくれた。
ここでも
(あたしも払うって言うべきかな? いや、それは逆に失礼なのか!?)
って悶々としてしまう。
いや。でも。いやいやそれは。 ……って勝手に悩んでいるうちに、晃さんがスマートに会計を済ませてしまった。
……あたしって最近の女子高生よりも情けない気がする。
それから、ふたり並んで夜の街を歩いた。
空を覆う暗闇と、街中を照らす灯りが、あたしの心に不思議な高揚感を生み出している。
男性とふたり。あたしと晃さん。夜の街に漂う独特な空気。
それに酔うように自分の心がウキウキ華やいでいるのをあたしは自覚していた。
「聡美さん、綺麗だね」
「えっ!?」
き、綺麗!? 綺麗ってあたしが!?
心臓を高鳴らせながら、バッと晃さんを見上げた。
すると晃さんの視線はあたしにではなくて、横の方を向いている。
な、なんだ。焦って損した。