天然ダイヤとイミテーション・ビューティー ~宝石王子とあたしの秘密~
必死に仮面を作り上げてきた今までの自分。
劣等感や惨めさを感じていた今までの自分。
そんな自分の負の感情が、少しだけ癒されたような。それでもいいんだって、許しを得たような気持ちになる。
それまで微妙に強張っていた頬の筋肉が、ふんわりと緩んでいく。
あたしは自然な笑顔で晃さんを見つめることができた。
彼の言葉があたしをそんな風にさせてくれた。それがとても嬉しくて、素直にありがたく思える。
こんな風に思えたのって生まれて初めて。
晃さんのお蔭だ。
コンプレックスの裏返しで好きになった宝石だけど、そのコンプレックスのお蔭でこうして宝石鑑定士の晃さんと出会えたなんて。
世の中って不思議。でも晃さんって、もっと不思議な人。
緩む口元で晃さんを見つめていると、彼は噴水を指差して言った。
「ウォーター・オパールって呼ばれる種類があってね。地色が無色透明に近いプレシャス・オパールで、水滴を垂らしたように見えるんだ」
「地色が無色なら、いっそう遊色効果が映えますね」
「遊色が強いものは、まるで手の平にオーロラを乗せているようだよ」
手の平にオーロラ。それ、素敵だな。
オパールって、一括りにできないこんなにたくさんの魅力にあふれた、素晴らしい宝石だったんだ。
劣等感や惨めさを感じていた今までの自分。
そんな自分の負の感情が、少しだけ癒されたような。それでもいいんだって、許しを得たような気持ちになる。
それまで微妙に強張っていた頬の筋肉が、ふんわりと緩んでいく。
あたしは自然な笑顔で晃さんを見つめることができた。
彼の言葉があたしをそんな風にさせてくれた。それがとても嬉しくて、素直にありがたく思える。
こんな風に思えたのって生まれて初めて。
晃さんのお蔭だ。
コンプレックスの裏返しで好きになった宝石だけど、そのコンプレックスのお蔭でこうして宝石鑑定士の晃さんと出会えたなんて。
世の中って不思議。でも晃さんって、もっと不思議な人。
緩む口元で晃さんを見つめていると、彼は噴水を指差して言った。
「ウォーター・オパールって呼ばれる種類があってね。地色が無色透明に近いプレシャス・オパールで、水滴を垂らしたように見えるんだ」
「地色が無色なら、いっそう遊色効果が映えますね」
「遊色が強いものは、まるで手の平にオーロラを乗せているようだよ」
手の平にオーロラ。それ、素敵だな。
オパールって、一括りにできないこんなにたくさんの魅力にあふれた、素晴らしい宝石だったんだ。