地球を守って!恋するヒーロー
「何言ってるんだ......?
ドクターにアメリカも日本も関係ないだろ?
ちょっとおかしいんじゃないか」


「おかしいのはそっちでしょ。
普通に話してるふりして、私のこと観察してたんだ」 



わけが分からないと言った顔で私を見るブレットに、イライラする気持ちがとめられない。


ああ、もう。
熱のせいなのか、千明とのことで頭が混乱しているのか。

まともに物を考えることができない。



「悪いけど、何のことか分からない。
少し落ち着け」


「落ち着いてるよ。
私は落ち着いてる」



一度疑念を抱いてしまえばその気持ちがどんどん膨れ上がり、もうしらばっくれられているとしか思えない。


あくまで何も知らない振りを貫き通している彼が、余計にそう思わせる。


別に私たちは恋人でもなければ、特別親しいわけでもないただの友達。

だからブレットが私よりも任務を優先させたとしても仕方のないこと。

むしろ友達ですらない、仕事仲間程度の関係でしかないかもしれない。


それでも嫌なの、胸の中に暗くて深い闇が広がっていくのが止められないよ。


ブレットじゃなければ、良かった。

もしもリンレイだったら、
リンレイじゃなくても他の誰かだったら。

きっとこんなにもショックじゃなかっただろう。


だって私は、あなたのことが......。
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