地球を守って!恋するヒーロー
「みんな遅いね......」



みんなが出ていっちゃってから、どれくらいたったんだろう。


時計がないから時間が分からないけど、心なしか日も沈みかけてる気がする。


いったいどこまで行っちゃったの?
まさか私たちを置いて帰っちゃったってことはないよね?


アシュリーたちはともかく、ネリとブレットはさすがに戻ってきてくれると思うけど......。



「そのうち帰ってくるだろ~?」



もう野生動物の観察どころじゃなくて、外に人影がないかどうか必死に探す私とは違って、千明はあくまでも楽観的。


さっきからとりとめのない話をして、私の気をまぎらわしてくれるけど、やっぱり人影を探すのがやめられない。



「それよりさ、ブレットとどうなった?
仲直りした?

さっきは普通に話してたみたいだけど」


「あ、うん。あのね......」



世間話をするかのようにさりげなく切り出されたそれに、外を見るのは止めて、ブレットとのいきさつを話す。

キスしたことは伏せて。
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