地球を守って!恋するヒーロー
それから、どのくらいたったのか。

空腹と頭の痛みに耐えながら待っていたから、長く感じたのかもしれないけど、ほんの少しの時間だったのかもしれない。


とにかく白い部屋で、ベッドに横になりながら待っていたら、看護師のお姉さんが何かを手に持って戻ってきた。

白衣を着た中年の男性と一緒に。



「初めまして。
研究所の所長兼、併設の診療所の院長をつとめる御堂(みどう)です」


「初めまして、仲川美菜です」



ようやく日本語で話せる人がきたことに安心しながらも、私も体を起こして、御堂と名乗った人に挨拶をする。


なんだかえらい人みたいだけど、ケニアで日本人ドクターに会うとは思わなかった。


その人は、年は私のお父さんと同じくらいだけど、どこにでもいそうな普通のサラリーマンのお父さんとは全く違う。


医者というよりも、いかにも学者といった感じ。

見た目のイメージだけど、研究に打ち込んでいて、なんとなく浮き世離れしてそうな印象を受ける。

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