地球を守って!恋するヒーロー
「君は、人間は何から進化したと思う?」



しばらくの沈黙の後、看護師さんが御堂先生に挨拶をしてから部屋を出ていってから。

ようやく口を開いた御堂先生はカーテンを少し開けて、すっかり暗くなった外を見ていた。



「何から?
原人ですか?」



ネアンデルタール人とか、何とか原人とか、授業では人類の進化の過程を習った記憶があるけど、正直あまり覚えていない。

それに、今関係あるの?
人間が何から進化したかってことと、私の今の状況。



「それよりも、もっと前だ。
人間がまだ人間らしい形もしていなかった頃」


「もっと前って......、サル......?」



御堂先生は私の方をちらりと見た後に、再び窓の外に視線を戻す。

不正解?


今の状況と何の関係があるかは分からないけど、どうやらこの話を聞かないと、私が聞きたいことを話してくれそうにないみたい。

仕方がないので、黙って御堂先生の次の言葉を待つ。


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