地球を守って!恋するヒーロー
言われなくたって、分かってる。

なんだか信じられないことばかりだけど、これは現実なんだってことも分かってる。

死ぬのが嫌なら生きて戦うしかないことも、それが出来ないなら私に未来がないことも、ちゃんと......分かってる。


全部分かってても、どちらも怖いんだよ。
逃げれるものなら、逃げてしまいたいくらい。
仲間のために敵と戦うのは、漫画や映画のヒーローに任せておきたいよ。


どうして私が、なんて言っても仕方ないけど、どうしてもそう思ってしまう。


今まで特に大きな事件もなく、平凡に生きてきた。

誰だっていつかは死ぬとしても、ずっと先のことだと思ってた。

死ぬのは、怖い。
やっぱり、まだ死にたくない。


だけど、戦うなんて無理だよ。
私には無理。


地球のために宇宙人と戦う、なんて。
そんなの騙されてるとしか思えないし、利用されてるだけかもしれない。


それでも。
騙されてたとしても、利用されているだけでも。

言う通りにしなければ、私に未来はないんだ。


「誰も助けてなんかくれない」
さっきの金髪の彼の言葉を思い出し、自分の状況を考えれば考えるほど、体の震えが止まらなくなる。





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