地球を守って!恋するヒーロー
眠れない......。

サイドテーブルに置いてあった自分の腕時計を見ると、午前一時。


このままだと一向に眠れそうにないので、気分を変えようと真っ白い部屋を抜け出すことにした。

 
病院の廊下はとっくに消灯されて真っ暗だったけど、腕時計についていたランプ機能で足下を照らす。


階段を下りて、下へ。
誰にも会うことがなく、あっさりと出口が見つかったここは、そんなに広くないのかもしれない。

セキュリティとかどうなってるんだろう。
見張られてたりするのかな。


急に誰かきたりしないか少し心配になったけど、人の気配もない。


あるのは、一面に広がった芝生と植えられたたくさんの木。

それと、金色に光るまんまるの満月だけ。


月が、綺麗。

あんな話を聞いたばかりなのに、切なくなるくらいに月が綺麗だ。


昔の人は、月にうさぎが住んでいると信じていったんだっけ。

それから時が過ぎて、人間が宇宙に行けるようになって、月に行った。

そしてそれからまた時が流れて、宇宙人が住み着いて......。


地球から月が綺麗に見えることは、きっといつの時代も変わらないのに。

月からは地球はどんな風に見えているんだろう......。
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