地球を守って!恋するヒーロー
「ヒーローの助けを待つかわいこちゃんの、心の悲鳴が聞こえた」


「頭、大丈夫?」



もしかしたら本人にとっては渾身の見せ場なのかもしれないけど、思わず本音が口から出てしまうくらいに全力でひいてしまった。


ケニアでは、こういうのが流行りなのかな。
それともお笑い芸人でも目指してるのか。


素でやっているのなら、もう救いがないようなくらいに末期症状だ。


けれど自称ヒーローは私の辛辣な本音もまるで気にせず、近くにあった木の下に座り、私にもここに座りなよと笑いかける。


......まあいっか、少しなら。

あの部屋に一人でいたら頭がおかしくなりそうだし、この人と話してた方が気が紛れそう。


そう思い、彼の隣に私も腰を下ろす。

芝生に直接座るのは久しぶりだ。
雨が降って草が濡れたりしてなくて、良かった。
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