地球を守って!恋するヒーロー
「だけど怖いよ......。
戦うなんて出来ない。

自分でも嫌になっちゃうくらいに、想像しただけで体が震えるの」


「怖いのは当たり前だよ、美菜はか弱い女の子だ。そのために、俺がいる。

美しいレディをお守りする、正義のヒーローです」



またキラキラスマイルで、戦隊ヒーローのようにかっこつけてポーズを決めた千明に思いきり吹き出してしまった。


たぶんかっこいいこと言ってるのに、いまいち決まらない千明。

だけど千明と話していると、なんだか心が軽くなる。悩んでいることが、ばかばかしくなるくらいに。



「千明......、ありがとう。
まだ怖いけど、私やってみるよ」



私に出来るか、分からない。
すぐに逃げ出したくなるかもしれない。


今だって泣き出したくなるくらい怖い、怖いけど、だけど、また会いたいから。
私に勇気をくれた千明と、そして......ブレットさんに。

だから......、生きるよ。



「必ず、生きてまた会おう」



真っ暗な闇の中でのたったひとつの光、月明かりに照らされながら、千明と手のひらを合わせた。

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