恋ごころトルク
*
自動車学校に通ってた時のことなんか、忘れたよきれいさっぱり。
クリーム色のカウンター。受付の人に声をかけると、パイプ椅子に座るよう促される。ここはH自動車学校。ついに入校手続きに来たわけ。ドキドキしながら、お金を持って。痛い出費だけど、別に良いのだ。あとバイクも買いたいし……。
「ええと、バイクの免許取りたいんですけど……」
事前にサイトを見てきているから、仕組みなんかはなんとなく分かってる。だから本題に突入だ。
「バイク、二輪ですね。普通ですか、大型ですか?」
「あの、どっちが良いんでしょうか」
「は?」
え? ですよね……。
受付の人がびっくりするのも無理はない。バイクの、二輪の免許を取りたい。ただそれだけで、普通なのか大型にするのか、それすら決めないで来てしまったんだから。
受付してくれた人は女性だったんだけど、ちょっとびっくりした様子で、でも嫌な顔しないで優しく教えてくれた。
「普通免許は持ってらっしゃるんですよね……なにか二輪に乗っていましたか?」
「じ、自転車なら」
「原付とか」
「いいえ、ありません」
「では、普通二輪でも良いかもしれませんね。そこで慣れてからの方が良いと思います。乗りたいバイクが大型だとかなら別ですけれど」
「はぁ……」
みんな、そういうの決めてから来てるんだろうな……あたし単純に「バイク乗りたい!」ってだけなんだけど……いいのかな……。
ここまで来てからうじうじしてしまう。もうちょっと考えるべきだったかな。
「普通二輪を取得してから、続けて大型二輪教習を受けることも可能ですよ」
「あ、そうなんですか?」
それならば、普通二輪で始めようか。気が変わって「やっぱり大型取りたい!」ってなったなら、その時に考えれば良いと思う。400ccまでって言われても、教習車が400ccだと言われても、いまいち想像できない。だって触ったことが無いんだもの。
「あ……じゃあ、普通二輪で」
「それでは、本日、適正検査を受けていただき、そのあとに入校式がありまして……」
自動車学校に通ってた時のことなんか、忘れたよきれいさっぱり。
クリーム色のカウンター。受付の人に声をかけると、パイプ椅子に座るよう促される。ここはH自動車学校。ついに入校手続きに来たわけ。ドキドキしながら、お金を持って。痛い出費だけど、別に良いのだ。あとバイクも買いたいし……。
「ええと、バイクの免許取りたいんですけど……」
事前にサイトを見てきているから、仕組みなんかはなんとなく分かってる。だから本題に突入だ。
「バイク、二輪ですね。普通ですか、大型ですか?」
「あの、どっちが良いんでしょうか」
「は?」
え? ですよね……。
受付の人がびっくりするのも無理はない。バイクの、二輪の免許を取りたい。ただそれだけで、普通なのか大型にするのか、それすら決めないで来てしまったんだから。
受付してくれた人は女性だったんだけど、ちょっとびっくりした様子で、でも嫌な顔しないで優しく教えてくれた。
「普通免許は持ってらっしゃるんですよね……なにか二輪に乗っていましたか?」
「じ、自転車なら」
「原付とか」
「いいえ、ありません」
「では、普通二輪でも良いかもしれませんね。そこで慣れてからの方が良いと思います。乗りたいバイクが大型だとかなら別ですけれど」
「はぁ……」
みんな、そういうの決めてから来てるんだろうな……あたし単純に「バイク乗りたい!」ってだけなんだけど……いいのかな……。
ここまで来てからうじうじしてしまう。もうちょっと考えるべきだったかな。
「普通二輪を取得してから、続けて大型二輪教習を受けることも可能ですよ」
「あ、そうなんですか?」
それならば、普通二輪で始めようか。気が変わって「やっぱり大型取りたい!」ってなったなら、その時に考えれば良いと思う。400ccまでって言われても、教習車が400ccだと言われても、いまいち想像できない。だって触ったことが無いんだもの。
「あ……じゃあ、普通二輪で」
「それでは、本日、適正検査を受けていただき、そのあとに入校式がありまして……」