恋ごころトルク

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　入校式が終わると、もう夕方だった。スーパーに寄って夕食を買い、部屋に戻って、きなこの様子をチェック。一連の作業みたいなもんだ。うん、今日も元気。

　光太郎さんがプレゼントしてくれたヘルメット。もう箱から出して、テーブルの上に置いてある。上から斜めから、じっと眺めてみる。光太郎さんが、くれたんだ。ちょっと、いくら入学祝いだと言ったって……ねぇ。嬉しいけど。とっても嬉しいんだけど！！


「やばいよー！！　プレゼントだって、きなこ！」

　きなこは聞いてるのかどうなのか分からないけど、首をかしげている。可愛いぞこのやろう。

　鳥かごから可愛いく上目遣いで見てくるきなこに癒される。

「光太郎さんがね、ヘルメットくれたの。買ってくれたの。お祝いだって」

　言葉を理解しているわけがないけど、あたしの近くに寄ってきて、声に反応してヘドバンしてる。お前嬉しいのか。あたしも嬉しいよ。幸せ。

　きなこの水を換えてやり、餌の量を見てから、テーブルに投げ出した夕食の惣菜を開ける。面倒だから温めないで食べちゃおう。

　初教習の予約も取ってきたし、がんばらないと。毎日行けるわけじゃないから、時間がかかるかもしれないけれど、がんばって二輪免許を取るんだ。

　１日がかりだったから、もう疲れてしまったな。簡単に夕食を済ませて、ヘルメットを眺めながら缶ビールを飲んでいると、眠気が襲ってきた。