海底の王国〈封印編〉
「わしは、クメカじゃよ〜じょうちゃんは、もしかしてフレア姫かの〜?」

ひなたぼっこをしていたクメカは、中庭のベンチの上からフレアに話しかけてきた。

フレアは中庭に軽やかに飛び降りて、クメカの前にしゃがむと顔をのぞき込んだ。

「そうよ〜?なんでわかったの?」

フレアは頬杖をつくと、目をキラキラさせた。

「ほっほっほ…じょうちゃんしか、おらんじゃろ〜?この宮殿で、子供なのは〜」

「え〜ほかにもいるわよ〜?ユラとか、ロイズとか〜」

「ほ〜そうじゃったか…ところでじょうちゃん、ちょっと聞いてもいいかの〜?」

「うん」

「最近、けんじょう品とか、なかったかの〜?」

「けんじょうひん…ってなぁに?」

「贈り物じゃよ〜プレゼントみたいな物かの〜?」

「う〜ん…あ、そうだ!このあいだロイズから、なないろサンゴのほうしを、もらったわ〜」

「ほ〜そうかの〜…良かったら、このジジイに見せてくれんかの〜?」

「うん、いいよ〜?こっちこっち〜」

フレアは立ち上がると、クメカを自分の部屋に案内した。
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