海底の王国〈封印編〉
クメカは、姫の質問に答える事が出来ずに黙り込んだ。

その時だ…

再び玉座の間の扉が勢い良く開くと、フレイル陛下率いる一団が、なだれ込んで来た。

「姫、ちょっと待って下さい!」

「フィル…お早い、お戻りでしたね〜」

ルドがニッコリと笑って、出迎えた。

「うちの魔法士は優秀だが…飛ばし過ぎは問題だな…」

イースが青い顔をして、ゆっくりとルドの方に歩いて来る…

ロイズは急いでクメカのそばに行くと、フレアとユラにはなれるよう言った。

そしてポケットから、タツノオトシゴのラギを出して手の平に乗せると、光の前に差し出した。

「…姫、ご無沙汰をしています…アルーシャ王国・護衛騎士のラギ・イエロです…」

タツノオトシゴの姿をしたラギは、深々と頭を下げると挨拶をした。

「おぉ…ラギか…久しいな…おぬしも、珍妙なものに封じられておったか…」

「はい…このような姿で、失礼します…」

「いや…それより、なぜそ奴をかばう…?おぬしを、そのような姿に封じた一族の末えいじゃぞ…憎くは、ないのか?」
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