海底の王国〈封印編〉
「はい、私はもういいのです…しかし姫はダメです…せっかく自由になられたのに、クメカ殿を殺してしまえば、転生が遠のきます…」

「そうかもの〜」

ふふふ…と姫は笑った。

すると、ずっと黙っていたクメカが、穏やかな口調で姫に話しかけた。

「…姫、私はこの姿ではあるが、長く生きた…今では、海の長老と呼ばれておるよ…姫が殺したいと言うのなら、気のすむようにしなされ…我が一族の落とし前は、わしが引き受けなくてはの〜?」

「いけません姫…私と一緒に、参りましょう?」

ラギは一生懸命、姫を説得しようとした。

「…」

姫は答えずに、黙っている…

ロイズは光のそばにラギを近づけると、そっとはなした。

「…姫、参りましょう…?」

「…おぬしが、わしとの約束を覚えていたら、聞き入れんでもないがな…」

姫はラギにそう言うと、また黙り込んだ。

「え…覚えていたんですか?姫…願ったり叶ったりですけど、私は…」

「よし…!じゃあ、この国の姫、体を借りるぞ!」

マジェンタ姫はそう言うと、光の玉がフレア目がけて飛び込んで行った。

「え、わたし?!」

フレアが叫ぶと同時に、フレアの意識は別人の…マジェンタ姫のものへと、代わっていた。
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