【完結】Re-love 〜二度目の恋はあなたと〜
「あ〜、いろんな意味でお腹いっぱい」
「ほんまやね!」
散々食べて、内容の濃い話をしたので3人とも満腹どころか胸までいっぱいだった。
駅で別れる時も、沙知と理香は笑顔で
『何かあったら力になるからね』
と言ってくれたことに、杏子はまた涙が出そうになっていた。
電車の中では、沙知と理香が話していたことが頭を巡っていた。
―――好きな人に振り向いてもらいたくて、他の人を利用したり、傷付けるのは・・・やっぱりおかしいよな・・・。
ブツブツと声に出してしまいそうなくらい頭の中では熱弁を奮っていた。
駅に着いて、外に出ると雨がポツポツと降り始めていることに気付いた。
―――傘持ってないし。
昨日の夕方のニュースで、今日の夕方から雨が降ると言っていたのに、傘を持って出かけるのを忘れていた。
雨の降りそうな空を睨み、走り始めた。
しかし追ってくる雨雲は、杏子が走るスピードよりも早く、家に帰るまでにびしょ濡れになっていた。