【完結】Re-love 〜二度目の恋はあなたと〜
「ちょっと!杏子が休みやったら、英語の和訳どうしたらいいんよ〜!」
杏子が休みと知り、美穂は慌てて和訳を見せてくれる人を捜し始めた。
―――また答えられへんかったら、古野先生に嫌味を言われる!!
朝から嫌味なんて言われたら、1日が台なしや!
誰か、誰か・・・佳祐は?いやあいつは完全理系男やから、英語は全くできへんし・・・あっ!
美穂の目に入ったのは、学年No.2の成績の加藤だった。
崖っぷちに立たされた美穂は、今まで話し掛けたこともない人物に勇気を出して声を掛けようとしていた。
「加藤くん・・・英語の和訳見せてくれへん?」
加藤は、がり勉タイプで、話し掛けにくい雰囲気をかもしだしていた。
―――『そんなのもわからないの?』『なぜ見せないといけないの?』なんて言われたらどうしよう・・・。
美穂は、加藤のイメージを上から目線で、嫌味っぽく言われると決め付けていた。
「あっ、いいよ」
意外にも加藤は快く応じてくれて、勝手なイメージを作り上げていたのを申し訳なく思った。
「すぐ返すから!」
慌ててノートを写し、授業に備えようとしていた。
「よし!終わった!」
ノートを閉じたと同時に予鈴が鳴り、顔を黒板に向けると、いつものように健一が登校して来ていた。
―――いつも測ったみたいに、予鈴と同時に入って来るよな・・・。
健一が歩く姿を見て、美穂は再現性に感心していた。
―――球技大会のあとどうなったんやろう。今日は、佳祐たちと昼食摂ろうかな?
美穂は、健一に球技大会の勝負の結果を聞くために、お昼は、健一にに事情聴取することにした。
―――返さんとあかんわ!
我に返り、加藤のノートを手に持ち、返しに行った。
「ありがとう。助かりました」
笑顔でお礼を言うと、加藤も笑顔で「よかった」と言うと自分のノートを受け取った。