【完結】Re-love 〜二度目の恋はあなたと〜
「なぁ、お前の彼女、加藤と仲良さそうやな」
健一が席に着くと、佳祐の顔も見ずに、さっき目に入った美穂と加藤のことに触れた。
「・・・めっちゃムカツク」
小さな声だったが健一にはしっかり聞こえていた。そして、表情からして、佳祐は確実に怒っていた。
「佳祐、やきもち?」
健一は、からかうつもりで言ったつもりが、逆に佳祐の感情を逆なでしてしまった。
「健一だって、俺が岡崎ちゃんを狙うって言った時、嫉妬してたやろ!付き合ってもないのにあれは酷いで!」
「うっさい!黙れ!そんな減らず口をたたいてる間に、秀才の加藤くんに彼女をとられるで!」
健一も負けじと攻撃をした。
『彼女をとられる』という言葉に過剰に反応し、大きく首を振っている佳祐を無視し、美穂の後ろの空席に目をやった。
―――まだ来てないんか。なんかあったかな・・・。
杏子のことを心配するも、本人に聞くこともできないもどかしさが、健一をイライラさせた。
「何?健一、岡崎ちゃんが心配なんか?美穂なら知ってるかもしれんで。聞いてやろか?」
さっきの仕返しなのか、やたらと嫌味っぽく言う佳祐に腹を立て、意地を張り「別に」と答えた。
そしてその意地に健一はひどく後悔することになる。
午前中の授業はほとんど頭に入らず、杏子のことばかりを考えていた。
―――捻挫が悪化したとか・・・?いろいろあったから、登校拒否とか・・・?
マイナスイメージが頭の中をグルグルと巡り、健一の頭の中は爆発寸前だった。