【完結】Re-love 〜二度目の恋はあなたと〜
1年5組の前で足を止め、前のドアから教室の様子を見ると、これまで騒がしかった教室が一瞬で静まり返った。
そんなことは気にせず、彼女は目当ての健一を呼び出した。
「眞中くんってこのクラスにいるかしら?」
言い終わると同時に教室中がザワザワと騒がしくなった。
さっきまでとは違い、今は彼女が言った言葉に対するものだというのはわかった。
「はい、俺が眞中ですけど・・・何か?」
窓際で女子に囲われている男子生徒が立ち上がって名乗ってくれた。
周りの子達は「誰?」と健一に聞いているようだったが、健一は「わからん」と答えた。
「ちょっと、来てくれる?」
彼女は、できるだけ優しく声を掛けると、さらに教室は騒がしくなった。
健一は、素直に彼女の言うことを聞き、彼女の元まで来た。
そして、再び廊下を歩くと、さっき彼女が一人で歩いていた時より、騒ぎが大きくなっていた。
「うわぁ、めっちゃかっこいい」
「めっちゃ似合ってるし」
「付き合ってるんかな?」
とヒソヒソと話す声も聞こえてきた。
そんなことはどうでもよかった。
彼女は早く健一の気持ちを聞きたかった。