片想いの空

―学校に行くの嫌だな
優の前で上手く笑えるかな

「行ってきます…」
重い足どりで学校に向かった。
昇降口で優に会った。
「おっ!!乃愛、ぉなよ。」
「あ、おっおはよ…」
「元気ねぇな。どうした?」
―落ち込んでるのバレバレだったかな
「う、ううん。全然なんもないよ。」
「そっか。悩みがあるなら、俺が聞くからな!!いつでも言えよ。じゃあ、また後で。」
ニコッと優が笑った。
―そんなの
言えるわけないじゃん…
視界が揺らぐ。
―泣いちゃダメ!!
下唇を噛みしめて、涙がこぼれるのを我慢した。



「…泣きたいよぉ。」
私は、空を見上げた。

―私の大好きな人
笑った顔も、照れた顔も、困った顔も
私だけに見せてほしいよ
君の全てを知りたいよ

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