片想いから途中下車
あ、でもあの時の笑顔のまんまだ。


口元に手を置き、クスリと笑う彼。


ちょっと、得したかも……。


震える隣をみると陽も笑ってて、


前言撤回、やっぱり最悪っ。


「隣いい?」


「えっ、は、はいっ、どうぞっ」


また失敗。


けど、隣……となりって。


やばい、心臓うるさいっ。


また、うつむく私に制服の袖が引っ張られる。


うつむきながら陽の方を見ると耳元で


「話しかけちゃえ」


なんて。


絶対無理だから!
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