片想いから途中下車
「○○駅ー」


この瞬間が終了するアナウンスだ。


私たちはもう一つ先の駅。


ユウマくんたちはここの駅で降りちゃう。


「蓮ー、おりるぞ」


「ほーい」


プシューと音を立ててドアが閉まると


「はぁーっ」


緊張がほぐれて私は陽の膝に倒れた。


「ラッキーだったね」


「ラッキーなんてもんじゃないよ、もう一生分のラッキー使い果たしたかも!」


「片思い電車だ」


「なにそれ?」


「里奈のことだよ」


ふふっと笑う陽。


この時は何も思わなかった。


ただの寝言みたいなもの。


けど、私は本当に一生分使ってしまったのかもしれない。
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