片想いから途中下車
アナウンスが流れて数分。


「あ、来た来たっ」


「陽っ、声おっきいって」


「バカー」って怒る私に陽はまた笑う。


もー、聞こえたらどうす


「悠麻ーっ、早くしねぇと席埋まるってー」


「別にあと一駅なんだし、座んなくても大丈夫だろ」


「でも、早くーっ」



楽しげに話ながら別の車両から来た二人に思わずうつ向く。


「ねー、写メって見る?」


「バカ、それ犯罪だから!」


ニヤニヤと笑う陽。


もう、絶対券買ってやんないんだから。
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