アネモネ
「こんにちは」


それは君からだった


「こんにちは!」

僕は元気よく返した



「アネモネもう咲きそうですよ」



君は悲しそうな目をした


「そうですね…」



僕は不思議に思った



「なにかあったんですか?」



僕の問いに君は答えた




「私、引っ越すことが決まったんです」




僕は固まった



君の言葉が僕を蘇らせた




「私、あなたのこと好きでした」




そういうと君は走っていってしまった



僕は追いかけることができなかった
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