桃から生まれなかった桃太郎
【3】
次の日の朝、太郎はまた桃の木のそばに行きました。
昨日の女はいませんでした。
日が高く昇り、太郎を照りつけました。
日が傾き、陰が長くなって、やがて薄暗くなりました。
ずっと同じところで、太郎は母を待っていました。
心の中で何度も「かあさん」と叫びました。
女はその日、ついに姿を現しませんでした。
昨日の女はいませんでした。
日が高く昇り、太郎を照りつけました。
日が傾き、陰が長くなって、やがて薄暗くなりました。
ずっと同じところで、太郎は母を待っていました。
心の中で何度も「かあさん」と叫びました。
女はその日、ついに姿を現しませんでした。