桃から生まれなかった桃太郎
太郎はおじいさんとおばあさんを、

自分の父と母だと思っていました。

おじいさんもおばあさんも、

本当の父母がいないこの子が不憫で、

本当のことを言う気持ちが持てなかったのでした。

決して偽る気持ちがあったわけではありません。

ただ、父、母と慕われるのが心地よく、

ずっとこのままでいたかったのです。



おばあさんは、

いよいよこの日がやってきたかと思いました。
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