桃から生まれなかった桃太郎
「15で子供がおるとは、ずいぶん若い母じゃこと。

主人はおったのか?」

太郎はそのとき、父がどうしていたのかを知りませんでした。

「おおよそ、畑仕事でも行っておったのだろう。

じぶんの妻が鬼に奪われたと知って、

すぐさま探しに家を出たらしいが、

それから帰らぬそうじゃ」
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