桃から生まれなかった桃太郎
薄暗い洞穴の中には、

大きな影がうずくまり、

足を抱えてうなっていました。



「どうしたの?」

たえは声をかけました。

大きな影はびくっとゆれ、ゆっくりと振り向きました。

そこには、栗色の髪の毛と、浅黒い肌をした、若い男の顔がありました。
< 32 / 200 >

この作品をシェア

pagetop